プロジェクト保津川では、京都府および亀岡市文化資料館、流域の各団体・事業者のみなさんとともに、保津川の筏流しの60年ぶりの復活を通じて流域の文化の再発見や環境保全をめざした取り組みを進めています。
2007年から始まった筏復活プロジェクトでは、本来の12連の筏を復元し、上流の南丹市から京都・嵐山までの筏流しの完全な復活をめざすとともに、流域に伝わる筏文化の聞き取り調査やさまざまな技術の記録や伝承、材木の地産地消にむけた取り組みを進めています。
保津川の上流、京都府南丹市日吉町にある日吉ダムで2007年8月開催された、「天若湖アートプロジェクト2007」の中で、丹波から京の都へ木材を運んだ筏を、60年ぶりに再現しようという「桂川筏イベント 筏をつくろう」が実施されました。日吉町森林組合の協力を得て、地元産の木材を使い、かつて筏師をされていた亀岡市保津町在住の酒井昭男さん(80)のご指導のもと、伝統的な技法により60年ぶりに保津川の筏が甦り、再現された筏はその後、日吉ダム・インフォギャラリーにて展示されました。
2008年は保津浜~山本浜までの筏流しの再現、2009年は保津峡(落合)~嵐山までを再現しました。さらに、筏が流れていた川の航路の調査を実施したり、筏流しに使用する材木の一部を南丹市八木町にある筏森山で伐採したり、さらには筏を組むための金具「カン」の60年ぶりの製作と、今年は多方面に取り組みを広げてきました。2010年には筏流しの見学ツアーを企画したほか、筏で流した材木を用いた製品の開発にも取り組んでいます。
年 | 内容 |
2007年 | 天若湖アートプロジェクト2007:桂川筏イベント 筏をつくろう(日吉ダム) |
2008年 | 筏流し再現(保津浜~山本浜) 筏流しと舟運技術の聞き取り調査 筏を観よう!撮ろう! |
2009年 | 筏流し再現(保津峡(落合)~嵐山) 川の航路調査 木材の伐採(南丹市八木町) カンの制作 |
2010年 | シンポジウム「筏がつなぐ山、川、そしてまち」 筏流しの見学ツアー 木のグッズ アイデアコンテスト 筏材利活用製品の開発 |
2011年 | いかだにのってみよう! |
2012年 | いかだにのってみよう! |
2013年 | いかだにのってみよう! |
2014年 | いかだにのってみよう! 12連筏の再現 |
2015年 | いかだをつくってみよう! いかだにのってみよう! |
2016年 | - |
2017年 | - |
●連絡協議会
京都府南丹広域振興局 | 亀岡市文化資料館 | 南丹森のエコミュージアム | NPO法人プロジェクト保津川 |
保津川の世界遺産登録をめざす会 | 株式会社アオキカヌーワークス | 京都学園大学歴史民俗研究会 | 天若湖アートプロジェクト実行委員会 |
桂川流域ネットワーク | 森林環境ネットワーク | 京都大学生存基盤科学研究ユニット 京都大学東南アジア研究所 |
●協力
保津川遊船企業組合 | 保津川漁業協同組合 | 嵐山通船株式会社 | 有限会社南丹運送 |
亀岡市篠町自治会 | NPO法人間伐材研究所 | 京都おはし工房 | 片井鉄工所 |
嵯峨野観光鉄道株式会社 | 琴ヶ瀬茶屋 | 大阪商業大学原田ゼミナール | 車折神社 |
京福電気鉄道株式会社 | 同志社大学 |
●助成
京都学園大学共同研究助成 | 京都府地域力再生プロジェクト支援事業交付金 | 平和堂財団環境保全活動助成事業「夏原グラント」 |
川の流れが山とまちを結び、人と人をつなぐ。――よみがえれ! 京の筏
大学、学生、市民、NPOをはじめとした人びとが大堰川の上流から下流までの
産業・歴史・文化・環境・自然・観光をつなぐ象徴として
「ほんまもんの筏」を復活させる―心揺さぶるプロジェクトの軌跡。
手塚 恵子 京都学園大学人文学部教授 文化人類学・民俗学 時々カヌーイスト |
大西 信弘 京都学園大学バイオ環境学部教授 動物生態学・地域研究 |
原田 禎夫 大阪商業大学経済学部准教授 NPO 法人プロジェクト保津川代表理事 経済学 |
鍛冶屋倶楽部 松尾展利 奥田恭崇 平原慎也 石井辰弥 柴田晃太郎 宮崎慎太郎 青木孝文 菊池稜太 京都学園大学人間文化学部歴史民俗専攻 民俗学 |
河原林 洋 保津川遊船企業組合船頭 実践型地域研究 |
黒川 孝宏 亀岡市文化資料館館長 博物館学 |
坂本 信雄 京都学園大学経営学部名誉教授 NPO 法人プロジェクト保津川初代代表理事 経済学 |
志方 隆司 京都府立林業大学校教授 林学 |
下村 泰史 京都造形芸術大学通信教育部芸術教養学科准教授 天若湖アートプロジェクト実行委員会前実行委員長 環境論・緑地計画学 |
堀田 穣 京都学園大学人文学部教授 図書館文献学 |
吉田 実 NPO 法人ふるさと保津 |